何度も噛まなければ飲み込めない硬いえさで育てたマウスとすぐ飲み込める粉のえさで育てたマウスの動きを比べた実験があります。
警告用のブザーが鳴りとライトがついた後にマウスの部屋に電流が流れるようにしました。電流が流れるとマウスは電気ショックを受けて暴れます。ただし、部屋の中にあるレバーを押すと電流は流れないようにしました。
実験を始めて18日後、硬いえさで育ったマウスの約50%はレバーを押して電流を回避することを覚えました。軟らかいえさで育った方は約29%でした。
次に迷路を抜けさせる実験をしました。最初に迷路を抜けるための練習を十分にさせます。その後、12種類の迷路を作ってテストしました。硬いえさで育てられたマウスの方が、早く正確に迷路を抜けることができました。
幼稚園児の噛む能力(ピーナッツ咀嚼値)と知能指数(Wechsler Preschool and Primary Scale of Intelligence使用)の関係を調べた実験があります。
この実験で良く噛める子は噛めない子より知能指数が高いことが分かりました。また、良く噛める子には虫歯が少なく、あまり噛めない子には虫歯が多いことも分かりました。虫歯のある子は軟らかい食べ物が好きであまり噛まないで育ったからでしょう。
次に同じ幼稚園児に良く噛むように訓練をさせ記憶力の変化について調べると 噛む練習をした後は記憶力がよくなったという結果がでました。
噛むことにより、脳内に記憶や学習に関係する化学物質(コレチストキニン、ボンベシン、ニューロペプチド、a-FGF)や血流量が増えてくるからです。良く噛むと頭が良くなることがおわかりになりましたね。また、よく噛まないと満腹中枢を刺激する神経性ヒスタミンの分泌が少ないので、満腹感がなくつい食べ過ぎてしまい肥満となることも知られています。
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